ハワイは世界中から観光客が訪れる人気のリゾート地ですが、訪問者の国籍ごとに傾向や特徴に違いがあります。この記事では、ハワイへの観光客について国別の最新動向や各国からの観光客の割合、推移、特徴をわかりやすくまとめています。
特に多いのはアメリカ本土と日本からの観光客ですが、近年では韓国やカナダ、オーストラリアなどからの訪問も増えてきています。また、各国の観光客数は時期や世界情勢によって変化するため、その背景や理由もあわせて解説します。
ハワイ観光の現状を理解するうえで、国別の観光客データはとても重要な指標です。これからハワイ旅行を計画している方や、観光業に関心がある方にとって、役立つ情報をお届けします。
- ハワイに訪れる主要な国別観光客の割合とその理由
- 各国からの観光客数の推移と変化の背景
- 国ごとの観光客の特徴や旅行スタイルの違い
- 今後の国別観光客数の見通しと注目すべきトレンド
ハワイの観光客:国別の最新動向
- どこの国が多い?
- 観光客の比率
- 出発国ランキング
- 推移グラフ
- 年間観光客数
どこの国が多い?
ハワイへの観光客が多い国は、現在もなお「アメリカ本土」と「日本」が上位を占めています。
まずアメリカ本土からの観光客は、ハワイ全体の観光需要の大半を占めています。距離的にも近く、パスポートが不要なことや、直行便の多さが主な理由です。また、フライト時間も比較的短いため、短期の旅行先として選ばれる傾向にあります。
一方、日本は長年にわたり、アメリカ以外で最も観光客数が多い国とされています。文化的な親和性やハワイブランドの人気、治安の良さ、そして日本語に対応したサービスが豊富であることなどが挙げられます。
近年では韓国やカナダ、オーストラリアなどからの観光客も増えつつありますが、それでもアメリカ本土と日本からの観光客が圧倒的多数を占めているのが実情です。
今後は、フライトの利便性やビザ政策、為替レートなどの影響を受けて、各国の観光客数に変化が出る可能性もあるため、注目しておく価値があります。
観光客の比率
ハワイの観光客比率は、訪問者全体における出発国ごとの割合を示すもので、観光動向を知るうえで重要な指標となります。
ここで注目すべきは、アメリカ本土からの観光客が約7割以上を占めているという点です。これは、ハワイがアメリカ国内の観光地であり、ビザの取得や国際線利用が不要であるためです。
次に多いのが日本からの観光客で、通常は全体の1割前後を占めます。ただし、時期や国際情勢、円安などの経済的要因によって、この比率は大きく変動することがあります。
また、韓国・カナダ・オーストラリアなどからの観光客も一定数存在し、全体の1~2割を構成しています。近年は中国からの観光客も注目されていましたが、ビザ要件や政治的な背景などにより、安定した伸びには至っていません。
このように、観光客の比率はハワイの観光戦略や各国の経済状況に大きく左右されるため、今後の推移にも注意が必要です。
ハワイの観光客:国別の特徴と傾向
- 割合から見る傾向
- 日本人激減の背景
- 日本人の実態
- 日本人の推移
- 中国人の動き
- 今後の予測
割合から見る傾向
ハワイに訪れる観光客の割合を見ると、その国や地域ごとの特徴や傾向が見えてきます。全体の中で最も多いのはアメリカ本土からの観光客で、通常は全体の60〜70%を占めています。この数字は、近距離であることや国内旅行として訪れやすい点が背景にあります。
次いで多いのが日本からの観光客で、パンデミック前は全体の15〜20%程度を占めていました。ただし、コロナ以降はこの割合が大きく減少し、現在では10%未満にとどまる時期もあります。その分、韓国、カナダ、オーストラリアなど他国の割合がわずかに増加傾向にあります。
また、興味深いのはアジア圏からの観光客が以前より多様化してきている点です。特に韓国や中国からの旅行者が増えることで、マーケティングやサービスにも変化が求められています。
このように、観光客の割合は時代や情勢によって変化し、国ごとの動向を読むことでハワイ観光の未来も見通しやすくなります。
日本人激減の背景
ハワイへの日本人観光客が激減した背景には、複数の要因が複雑に絡んでいます。最も大きな要因は、新型コロナウイルスの影響による国際線の停止と渡航制限です。これにより、日本からの旅行が一時的にほぼ完全に途絶えました。
加えて、円安の進行や物価の上昇も影響しています。ハワイはもともと物価が高めの地域ですが、円安の影響で日本人にとっての滞在費がさらに割高に感じられるようになり、旅行先としてのハードルが上がりました。
さらに、コロナ禍でライフスタイルが変わったことも関係しています。海外旅行を控える傾向がしばらく続いたことで、国内旅行や近場の海外に目を向ける人が増えました。その結果として、ハワイが以前ほど気軽な旅行先ではなくなったとも言えます。
このような背景を踏まえると、日本人観光客数がすぐに回復するのは難しい状況です。回復には、円高や航空便の再拡充、現地での日本語対応強化など、いくつかの要素が揃う必要があります。
日本人の実態
ハワイを訪れる日本人観光客は、長年にわたってハワイ観光の重要な柱となっています。特にオアフ島では、日本語が通じるショップやレストランが多く、日本人にとって安心して過ごせる環境が整っているため、リピーターも非常に多い傾向にあります。
しかし現在は、パンデミック以降の影響が色濃く残っており、日本人観光客の絶対数は以前に比べて大きく減少しています。観光業界では、かつてのような日本人の集客力を回復させるため、プロモーションやツアーの再設計が進められています。
また、訪問の目的にも変化が見られます。これまでは新婚旅行や家族旅行が中心でしたが、最近では「ワーケーション」や「ヘルスツーリズム」といった新しいスタイルも注目されています。
このように、ハワイ観光における日本人の存在は今なお大きいものの、数だけでなく、旅行の形や価値観にも変化が起きていることがわかります。
日本人の推移
日本人観光客数の推移を見ると、ハワイとの関係の深さがよくわかります。1990年代から2000年代にかけては、年間150万人以上の日本人がハワイを訪れていました。この時期は、ハワイブームの影響もあり、日本からの直行便も非常に多く運航されていました。
ところが、2008年のリーマンショック以降、経済的な影響や円高の反動などで徐々に減少傾向に入りました。さらに2020年には新型コロナウイルスの拡大により、渡航がほぼ停止。一時は観光客数がゼロに近づくほどの大打撃を受けました。
現在では少しずつ回復が進んでいるものの、パンデミック前の水準にはまだ届いていません。観光局や旅行会社も、日本人観光客の回帰を目指し、さまざまなキャンペーンや航空路線の復旧に取り組んでいます。
今後の推移を見るうえでは、為替レート、燃油サーチャージ、そして海外旅行への心理的ハードルなど、多くの要因が影響してくるでしょう。特に、円安が続く間は急速な回復は見込みにくいかもしれません。
中国人の動き
ハワイを訪れる中国人観光客の数は、2000年代後半から徐々に増加傾向にありました。特にアジア圏での経済成長と中間層の拡大を背景に、海外旅行の行き先としてハワイが注目されるようになったのです。高級志向の旅行を好む層が多いこともあり、宿泊施設やショッピングへの消費額は比較的高い傾向にあります。
ただし、中国本土からハワイへの直行便は限られており、渡航ルートが不便であることが一定の制約になっていました。また、ビザの取得要件もアメリカ本土への渡航と同様に厳しく、旅行計画に手間がかかるという声もあります。
そして、2020年以降のパンデミックによって中国人観光客の数は激減しました。中国政府による出国制限や、帰国後の隔離義務などが影響し、回復のスピードは他国に比べて遅れています。2023年頃からようやく一部の観光需要が戻りつつあるものの、以前のような活発な訪問には時間がかかると見られています。
今後は、航空路線の再編やビザの緩和措置などが鍵となり、中国人観光客の動きが再び活発になる可能性もあるでしょう。
今後の予測
ハワイ観光の将来を国別に予測すると、いくつかのトレンドが見えてきます。まず、日本人観光客については、依然としてハワイに対する人気が根強く、円安が落ち着けば再び訪問数が回復する可能性があります。過去のデータでも、日本からの観光客は経済状況の改善とともに急激に増える傾向があるためです。
一方で、アメリカ本土からの観光客は、今後も引き続きハワイの主要な市場を担うと考えられます。コロナ禍以降、国内旅行需要が高まっており、ハワイはその恩恵を大きく受けました。手軽にアクセスできるリゾート地としての魅力は、引き続き強いといえます。
また、韓国やカナダなどからの観光客も堅調です。特に韓国は、LCCの就航や観光プロモーションの効果により、年々存在感を高めています。ビザ取得が比較的容易であることも後押ししています。
中国については前述のとおり慎重な回復が見込まれますが、今後政策が緩和されれば一気に回復する可能性も秘めています。
つまり、ハワイ観光の今後は、アメリカ、日本、韓国、カナダ、中国の5カ国を中心に、それぞれの経済状況や政策の動向に左右されながら、少しずつバランスを変えていくと予測されます。
ハワイの観光客:国別の動向まとめ
この記事のポイントをまとめました。
ハワイへ訪れる割合の多い観光客
- アメリカ本土からの観光客が全体の約7割を占めており最も多い
- 日本はアメリカ以外で最多の観光客数を長年維持している
- 韓国、カナダ、オーストラリアの観光客が近年増加傾向にある
- 中国からの観光客はビザや政治的要因で不安定な伸びとなっている
日本人の動向
- 日本人観光客は2020年以降、大幅に減少している
- 円安と物価高により日本人のハワイ旅行が割高に感じられている
- 日本人観光客はリピーターが多く現地での消費が安定している
他国の動向
- 韓国はLCCの就航により訪問者数が伸びている
- アメリカ本土からの観光はパスポート不要で気軽に訪問できる点が強み
- カナダやオーストラリアからも安定した観光客が訪れている
- 中国人観光客は購買力が高く経済効果が大きいが回復は遅れている
現状と今後の予測
- ハワイへのアクセスのしやすさが国別観光客数に大きく影響している
- 国別観光客比率は情勢や為替など外的要因に左右されやすい
- 観光客構成は多様化が進みアジア圏の存在感が高まりつつある
- 今後はアメリカ、日本、韓国、カナダ、中国の5カ国が主要な市場となる